「ゆく春俳句会」のホームページにようこそ。ここでは、小冊子「原子爆弾救助行」の紹介と配布についてのご案内をいたします。

もともとゆく春会員向けに作成した小冊子「原子爆弾救助行」は、1945年8月、被爆直後の広島に急行した若き医師であり、俳人でもあった谷野夏山(たにのかざん)の遺した作品群です。夏山は、現地の惨状を目の当たりにしながら多くの俳句を詠みました。発表された全103句の中から50句を厳選し、また、当時の状況がわかるよう解説を付して「原子爆弾救助行/谷野夏山俳句集」を編みました。さらに、50句すべてを英訳(英語圏のHaikuへ翻訳)して日本語に併記したのも大きな特徴です。

この句集はゆく春の会員に好評でした。そして今年も8月6日、9日の原爆忌を迎え、これを俳句会の外にも公表したいと考えました。わずかですが残部をご提供させていただきます。ご興味のある方は当ホームページのお問合せメールからご連絡下さい。郵送いたします。その際、お名前、ご住所、当句集にご興味をもたれたきっかけ(Twitterで知った、見本の句に惹かれた、など)を添えていただけると幸いです。今回の配布につきましては、商業的な販売ではありませんので価格はございません。もしご寄付の形で本作の普及についてご支援を賜ることができましたら有難く存じます。以下、本作の概要と見本の句の例をお伝えします。

●谷野夏山とはどういった人物なのか?:夏山さんはゆく春の先輩俳人でした。広島被爆直後に、縁があり現地に急行した若き医師でした。

●なぜ対訳つきの俳句集なのか?:本句集は、人間の極限状態を俳句らしい即物的な描写で切取り、織り合わせています。その点で古今東西の文学に通じる、普遍的なテーマをもつに至っていると思われます。また、原子爆弾の問題も世界的な関心を集めうるものであり、これに対してあくまで文学の力をもって応答する可能性を秘めています。そのために、日頃、交流のある海外の俳句愛好家にもお伝えしたいと考え、50句すべてと序文、解説などを英語対訳の形式としました。なお、原句に省略されているものを英語訳では浮かび上がるよう翻訳しています。

●この冊子には何が掲載されているのか?:103句あった原作から厳選した50句に加え、昭和20年代当時の本作を巡る状況に関する解説、90年に渡る「ゆく春俳句会」の歴史等を収めました。具体的なページ立ては 目次 からご覧下さい。

炎天に神も悪魔も滅びしか in the burning sun/everything has died/god and the devil, too

夏の日は赤し人灰まきあげて red summer sun/a kicked-up cloud of/human bone

うつろなる眼に夕立は涙する summer shower/instead of rain these empty eyes/shed tears

狂ひ得ず死し得ず蝿を払ひ得ず not having gone mad/they can neither die nor can they/chase the flies away

父母の屍の蛆に眠る子よ you sleep leaning on/your mom and dad/their maggoty corpses

焼け残りし乙女の髪の琥珀あつし the amber barrette/of a burned-out girl/still hot

 

【新規発行物】