紫陽花寺行き交ふ人はカメラマン   井村美智子

一脚を抱えた人たち

ともし火と人ある限り原爆忌     村上博幸

核兵器廃絶まで絶やさず

衝突は喧嘩か恋か水馬        大津 浩

水馬自身のみ知る

川に手をうんと冷やして囮鮎     植村文彦

大切な種鮎が弱らぬように

桑の実をふふめば広ごる里の空    倉林 潮

指先を紫に染めて

ちはやふる神の仮宮新樹光      石原まさ子

枕詞の美しさ

草刈りて円卓二つ椅子八つ      金子まさや

お互いに労をねぎらうお茶の時間

夏至の日や継ぎし茶碗の金の筋    サトウイリコ

金継ぎは日本の美しい伝統技術

母の日や初めて母はもう居ない      本間辰也

毎年、贈り物をしていた

打水のホースムクムク輪をほどく    高取杜月

生き物のように

黒靴の結び目固し薄暑光        岩田織人

絡まりが固すぎてイライラと

末期癌棘の悼みや栗の花        白川喜彦

栗の花の香りの生命力

飲み方を忘れ真似して飲むラムネ    丸山千登喜

くぼみがポイント

冷房に一言含め外出す         坪川子風

猫のお留守番?

母の日や母の上手な物忘れ       松浦券月

嫌なことだけを

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