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入線前はしやぐ一団夏帽子       大津 浩

シニアの貸切列車か遠出の遠足児。いずれも笑顔。

行間を熟読したり雲母虫       佐藤恵美子

大切な本が虫食いに

青田波ドミノ倒しのごと走る     福士あきこ

得体のしれないものが走り回って

房総の山に重なる卯波かな      山縣 文

鋸山のギザギザの尾根

土佐文旦皮の厚さも味のうち     本間辰也

剥けばすっかり小さくなって

筍の土の顔して出にけり        渡辺伊世子

青空を見てびっくり。すぐに青竹に

酢醤油であと黒蜜でところてん    十川たかし

二度楽しめる

ワイシャツに作業着はおる薄暑かな   サトウイリコ

町工場の社長さん

母の日の肩たたき券もう無効        金田葉子

無効という無機質な意味は

蟷螂の掴み損ねし美空かな       高久靖人

素十ばりの写生句

燕飛ぶ風に形のあるごく        岩田織人

風に乗ったり急旋回

夏シャツの色違い着て京葉線      亀田浩代

夢の国はすぐそこ

大椿百枚の衣まとい咲く        大橋静子

大げさがいい

長身を丸太ベンチの麦藁帽      北村千代津

帽子を置いて昼寝かな

揉む手より生まれし新茶針のごと   大神柚津

手品師のようだ

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