田の神の膝に鬼灯二つ三つ 田端桂子
揺れてこそ百日紅の賞でらるる 川又曙光
ガーベラや行先決めぬ旅半ば 村上博幸
見送りは曲り角まで薄の穂 大津 浩
西へ西へ瀬戸の島々鰯雲 倉林 潮
菩提寺の萩叢ゆらす雨意の風 水上通子
山裾の小流れ早し走り蕎麦 福士あき子
登り窯ありし跡まで花野道 片海幹子
指折りつ語りかけつつ盆支度 鈴木はな子
蜩や墓石の文字は父の筆 山縣 文
風聴けば秋の初めやファソラシド 渡辺伊世子
盆なれば姻族方の経も読む 斎藤新一
海峡へ残暑まるめて一投す 石井真由美
秋晴れや開け放ちたる鳥の声 木村洋平
休暇明け背の順番に波乱あり 原 弥生
2015年アーカイブへ 2016年のアーカイブへ 2017年のアーカイブへ
休暇明け背の順番に波乱あり 原 弥生
夏休み明けの教室でしょうか。
生徒たちにとって、背の順は朝礼や体育に関わる大問題。
急に背が伸びて大人びた男子がいたり・・・
「波乱あり」から、あれこれ騒ぐ声が聞こえそうな、微笑ましい一句ですね。
金田さん、コメントをありがとうございます。
金田さんのイメージの通りの風景を、私は思い出して作りました。
子供時代の懐かしい思い出を「そう!そう!」と金田さんと共有できたことが
とても嬉しく思います。
背の大きい子が小さい子の肩に手を置いていたのが、背の順が逆転すると、お互いに何とも言えない違和感があるようで、その戸惑う様子が今となってはかわいい光景だなと思い出されました。
女子は女子で、背が伸びてスラッと綺麗になったクラスメイトを羨ましく思いながらも口には出せない…そんな光景を「波乱」と表しました。