投稿日 : 2015年9月25日
最終更新日時 : 2018年2月7日
作成者 : haikumoment
カテゴリー : ゆく春図書館
ナイターのテレビに老人檄飛ばす 井村美智子
配達の人へ麦茶の大ジョッキ 山田瑛子
お疲れと言ひつつ帰る夜学かな 岩永紫好女
川えびの魚籃より長き螯出す 松田初枝
夕涼や欲得の無き人と居て 髙橋純子
胸の洞埋めて花火の闇に消ゆ 新美久子
祖谷谿の岩砕きたる蟬の声 鈴木良子
新秋やパントマイムの音合はせ 植村文彦
しらかんば鹿の高さにむかれあり 金田葉子
床料理灯の入りてより瀨々の音 川副正枝
炎天下危うき足で家に入る 内海登代子
熱飯にぽとりと染みる茄子の汁 川崎春浪
口口にこんな時期まで夏炉焚き 中川登志子
清流に魚影はしらす秋の雲 繁友 葵
丑三つの呆れるほどの蟬時雨 北村千代津
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関連
熱飯にぽとりと染みる茄子の汁 川崎春浪
思わず巧い!とつぶやいておりました。
白いご飯の上の紫の一滴。
その小さな一点を見つめる作者の眼差し。
視覚、嗅覚、味覚に訴えながら、
収穫への感謝の念を思わずにはいられません。