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ナイターのテレビに老人檄飛ばす         井村美智子

配達の人へ麦茶の大ジョッキ     山田瑛子

お疲れと言ひつつ帰る夜学かな    岩永紫好女

川えびの魚籃より長き螯出す     松田初枝

夕涼や欲得の無き人と居て      髙橋純子

胸の洞埋めて花火の闇に消ゆ     新美久子

祖谷谿の岩砕きたる蟬の声      鈴木良子

新秋やパントマイムの音合はせ    植村文彦

しらかんば鹿の高さにむかれあり       金田葉子

床料理灯の入りてより瀨々の音    川副正枝

炎天下危うき足で家に入る      内海登代子

熱飯にぽとりと染みる茄子の汁    川崎春浪

口口にこんな時期まで夏炉焚き    中川登志子

清流に魚影はしらす秋の雲      繁友 葵

丑三つの呆れるほどの蟬時雨             北村千代津

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